行政書士として開業するとき、ホームページはどうしようか悩みどころです。
自分で制作するか、専門のホームページ制作業者に頼む
どちらかの選択になることになりますが、独立開業後のホームページは絶対に自分で作成することをオススメします。
独立開業するならホームページは絶対に自分で作るべき
結論から言うと、事務所のホームページはレンタルサーバーを契約して、自分で作成するのが最もオススメです。
少し業務をしてからではなく、なるべく早い段階で作成にとりかかることをオススメします。
そして、業務について勉強したことをこまめに記事にしていくことで、業務の勉強とネット集客の両立が可能となります。
ホームページが上位表示されるまでには、時間がかかるという点が挙げられます。
読み手に有用なページを作成し続ける事が上位表示への最短距離ですので、早い段階で作成にとりかかるのがオススメなのです。
プロに依頼するかどうかを検討する場合、大前提として知ってもらいたいのは
- プロに依頼して少しでも早く問い合わせをもらって依頼に繋げたい。
- 先行投資だから、仕方ない。
- 問い合わせがあればすぐに元が取れる。
と思うかもしれません。
残念ながら、プロが作ったホームページであってもすぐに依頼や問い合わせが来るというのは幻想です。
プロに依頼すれば美しいホームページを作ってもらえます。
しかし、美しいホームページと集客できるホームページであるということは全くの別問題なのです。
この現実を理解することが、事務所ホームページの運用の第一歩となります。
ホームページが初めて公開されると、その存在は一般には知られず、グーグルなどの検索からのアクセスも少ない(ほぼない)でしょう。
実は、プロによって制作されたホームページであっても、同様の状況が発生します。
したがって、数十万円を支払ってプロにホームページを作成してもらっても、元が取れるわけではありません。
行政書士のホームページ運用の現実と特徴
新人行政書士が直面する現実
「ホームページを作れば問い合わせが来る」と考える方は多いですが、現実は甘くありません。次の点を理解しておきましょう。
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開設直後のPV数(ページビュー)はほぼゼロ
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最初の1年で問い合わせはほとんど来ない
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初期の反応は営業電話や営業メールが中心
SEOツール(例:Googleサーチコンソール、Googleアナリティクス)でPV数を確認し、少しずつ伸びるのを確認するのが現実的なステップです。
検索数と競争の厳しさ
例えば以下のようなデータがあります。
キーワード | 月間検索数 | 関連記事数 |
---|---|---|
行政書士 | 100万回 | 約1,700万件 |
建設業許可 | 10万回 | 約1,600万件 |
この数字からわかるのは、少ない検索数を多くのサイトが奪い合っているという現実です。
検索上位に表示されない限り、どれほど見た目の良いホームページでも集客は難しいのです。
ホームページからの受注を増やすためには、検索結果の1位または1ページ目に表示されることが極めて重要です。
これは一般的に「SEO対策」と言われますが、簡単に言うと
ユーザーが求めている情報を提供できる高品質のコンテンツを提供できるかどうかでこの順位が変わります。
高品質のコンテンツとは、読者の問題を解決できる情報を提供するページや、必要な情報を提供するページを指します。
もっというと、検索した結果を解決できるページであるかどうか。ということです。
検索結果を提供するグーグルはユーザーが求めている情報を提供したいわけです。
求められている情報を提示する。という信頼を得ることがグーグルの利益となるからです。
そのため検索エンジンは、ユーザーが求めている情報を最も適切に提供するサイトを、検索結果の上位に表示することで、この信頼を得ています。
情報を提供する側のサイトの運営側は高品質なコンテンツを提供することが必要となります。
そして、このランキングを維持するためには、コンスタントな更新が必要です。
行政書士にとってのホームページとは何か?
ホームページの基本的な役割
行政書士事務所のホームページとは、単なる自己紹介ページではありません。主な役割は以下の通りです。
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名刺代わりとしての役割
初対面の取引先やクライアントが事務所の概要を確認する手段です。 -
集客ツールとしての役割
24時間365日、休まず情報発信し、見込み客を引き寄せる営業マンの役割を果たします。 -
情報発信の媒体としての役割
行政書士としての専門知識や事例紹介を通じ、信頼感や専門性をアピールできます。
とくに開業直後は、名刺代わりと集客ツールの両方の機能が非常に重要です。
ホームページ自作のメリットと重要性
なぜホームページは自作すべきか?
補助金を活用すれば業者依頼も可能ですが、まずは自作でスタートし、事務所経営が安定したら外注を検討するのが賢明です。
行政書士として独立開業した際、ホームページの自作は非常に有効な手段です。自作には次のようなメリットと重要性があります。
- コストを大幅に抑えられる
開業直後は、何かと出費がかさみます。事務所の備品、広告、登録料などにお金がかかり、ホームページ制作に何十万円も使う余裕はなかなかありません。
自作なら、必要なのはサーバー代(年1~1.5万円程度)と、場合によってはWordPressの有料テーマ代(1万円程度)だけです。
これで見た目の整ったサイトが十分に作れます。
- スキルが身につく
自作を通じて、WordPressの操作、SEOの基本、画像編集、ネットツールの活用法などを学べます。
これらのスキルは、今後の事務所運営やクライアント対応に役立ちます。
たとえば電子申請の普及が進む中で、インターネットの知識は行政書士としての必須スキルになりつつあります。
- 迅速な更新が可能
記事追加や料金改定、サービス内容の変更などが発生したとき、プロに依頼していると修正依頼や追加費用がかかります。
自作なら、自分で必要なときにすぐに更新できます。
特に行政書士業務は、法改正や制度変更が頻繁に起こるため、迅速な更新が強みになります。
- 集客ノウハウを自分で試せる
自作することで、どんなキーワードやコンテンツが検索されやすいか、自分の目で確認できます。
SEOやアクセス解析の基礎を体験的に学ぶことが、将来の集客改善にもつながります。
プロに依頼する場合の注意点と判断基準
プロが作るホームページであっても、ユーザーが求めている情報というのは自分で作る必要があります。
ホームページを作るプロはあくまでホームページ制作のプロであって、行政書士の業務がなんであるか、その中身までは把握できません。
この中身については、研修会などで積み重ねた知識を活かすことができます。
勉強したことや実際に行った実務の経験や知識を記事にまとめることで、ホームページのコンテンツが増え、ユーザーに見てもらいやすいホームページへ「育てる」ことができます。
結局のところ、プロに頼んでも記事の中身については、自分で作る必要があるというわけで、プロにページを追加依頼すればするほど支払う費用も膨大になっていきます。
初めから集客できるホームページを期待することは現実的でないため、高額なホームページ制作サービスは基本的に必要ありません。
開業当初から余裕のある事務所運営が可能である場合は、わざわざ時間をかけて自作するよりも、外部に発注する選択肢もあることでしょう。
しかし、ほとんどの行政書士は開業当初から依頼が来ることはほとんどありません。
プロによる美しいホームページを望む場合は、事務所運営が軌道に乗ってから検討する方が効果的であり、開業当初は費用を最小限に抑えることを最優先にするべきです。
まずは勉強した知識をコンテンツに活かして行くことをコツコツ行うことが、ホームページからの問い合わせや依頼に繋がります。
開業後の数年間で多くの行政書士が廃業に追い込まれる現実も考慮すべきで、財政的な側面から見ても、自作のホームページが適切な選択肢と言えるでしょう。
プロにホームページ作成を依頼する場合、以下の点を確認しましょう。
プロ依頼のメリット
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高品質なデザインと動線設計
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SEO、セキュリティ対策の専門的な実装
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ブランディングや信頼感の強化
注意点と判断基準
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費用感を明確にする
制作費20~50万円、保守費用月1万円前後が相場です。修正・更新費用も確認しましょう。 -
補助金利用の可否を確認
小規模事業者持続化補助金などでホームページ制作費を一部賄えることがあります。 -
実績や評判をチェック
行政書士のホームページ制作経験があるか、口コミやレビューを確認しましょう。 -
契約内容の明確化
どこまでの作業が含まれるか(デザイン、文章作成、SEO設定など)、納期、修正回数、追加費用の有無を明記してもらいましょう。 -
将来の更新方針を話し合う
記事更新や情報修正を自分で行えるのか、依頼が必要なのか事前に確認しておくことが重要です。
項目 | 自作 | プロ依頼 |
---|---|---|
費用 | サーバー代 1~1.5万円/年WordPressテーマ代(有料テーマなら約1万円) | 制作費 20~50万円保守費用 月1万円前後+修正時の実費 |
デザイン品質 | 初心者レベル(ただしテーマ次第で見栄えは十分可能) | プロ仕様、高品質デザイン・動線設計 |
作業時間 | 数日~数週間(学びながら作成) | 数週間~数ヶ月(依頼内容や修正次第) |
自由度 | 自分のペース・好みで変更可能 | 修正は都度依頼、追加費用発生の可能性 |
スキル獲得 | Web・SEO・ネットツールの知識が身につく | なし(完全外注) |
集客力(初期) | 低い(コンテンツとSEO努力次第で伸びる) | 高い(ただし、継続した記事追加が必要) |
自作ホームページの作り方と必要な準備
ここからは広告リンクが含まれます。
実際にホームページを作成する方法をご紹介します。
ホームページを自作するには、次の準備と手順が必要です。
必要なもの
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サーバー:レンタルサーバーを契約します。<PR>エックスサーバー
、さくらのレンタルサーバー、ロリポップなどが有名です。
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ドメイン:独自ドメイン(例:gyosei-taro.com)を取得します。ムームードメインやお名前.comが人気です。
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WordPress:初心者でも簡単にページが作れるCMSです。テーマ(テンプレート)は無料でも使えますが、有料テーマ(例:THE THOR、AFFINGER6)だとデザイン性やSEO効果が高まります。
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Googleサーチコンソール・Googleアナリティクス:サイトの検索状況や訪問者数を分析するためのツールです。
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Googleマイビジネス:ローカル検索対策として登録します。
作成の基本ステップ
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ドメイン取得とサーバー契約
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WordPressインストール
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テーマ設定とカスタマイズ
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固定ページ作成(事務所概要、業務内容、料金、問い合わせフォーム)
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記事投稿(業務解説、事例紹介、コラムなど)
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SEO・アクセス解析ツールの導入
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SNS連携設定(Twitter、Facebook、Instagramなど)
作成前の準備事項
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事務所の強み・提供業務・料金体系を整理する
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どのようなデザインイメージにするか決める(手書きのラフスケッチでもOK)
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掲載用の顔写真、事務所外観写真、実績データなどを準備する
詳細な作成方法や手順はこちら
集客のためのSEO・SNS戦略
ホームページを作っただけでは集客はできません。以下のようなSEO・SNS対策が必要です。
SEO(検索エンジン最適化)
SEOは、検索結果で上位に表示させるための工夫です。主なポイントは以下のとおりです。
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キーワード選定:「建設業許可 行政書士」「遺言書作成 本庄市」など、見込み客が検索しそうな言葉を記事に含める。
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タイトル・見出しの最適化:記事タイトルや見出しにキーワードを入れる。
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内部リンク強化:記事同士をリンクさせ、訪問者が長くサイト内を回遊できるようにする。
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モバイル対応:スマートフォンでも見やすいデザインにする。
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表示速度の改善:画像の圧縮やキャッシュ設定で、表示が遅くならないようにする。
SNSの活用
SNSはSEOの補助として有効です。
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Twitter・Facebook:記事更新情報を発信して認知度を上げる。
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Instagram・TikTok:事務所の日常や取り組みを写真・動画で紹介し、親近感を高める。
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YouTube:業務解説や相談事例を動画化することで差別化を図る。
メールマガジン
見込み客や過去の相談者に向けて、定期的に情報発信することで、リピーターや紹介客を増やす効果があります。
筆者の体験談
筆者はレンタルサーバーを契約して、ホームページ作成ソフトを使用して自作しました。
しかし、ホームページを更新しようとしたとき、ソフトをインストールしたPCを使用しなくてはならず、面倒になって結局ワードプレスを導入しました。
そして有料テーマであるAFFINGER6を購入し、ホームページを自分で作成しなおしました。
この手順を行ったメリットとして、行政書士の許認可業務以外にもネット周りのコンサル業務が可能となったことでした。
もちろん、実際にホームページ作成の依頼を受けたこともあります。
結論・まとめ
行政書士として独立開業後、ホームページをどう作るかは大きな課題です。
結論としては、まずは自作で始め、実務経験とスキルを積んだうえで、必要に応じてプロに依頼するのが最適な戦略です。
記事の要点まとめ
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ホームページの役割は名刺代わり、集客、情報発信
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検索上位表示が集客成功の鍵
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自作のメリットはコスト節約とスキルアップ
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自作の基本準備はサーバー、ドメイン、WordPress
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SEOやSNSの活用は必須
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プロに頼むなら補助金活用や信頼できる業者選びを慎重に