行政書士としての第一歩を踏み出すとき、多くの方が最初に直面する悩みの一つが「名刺には何を記載すればよいのか?」という点です。
この記事では、筆者の体験談を交えながら、名刺作成のポイントや注意点、記載すべき情報について具体的に解説します。
行政書士の名刺が重要な理由
行政書士試験に合格し、登録手続きを経ると、行政書士証票やバッジを受け取る交付式に出席することになります。
この式典では、同期の行政書士たちと名刺交換を行う機会があります。
私自身もその準備として名刺を作成しましたが、最初は何を載せればよいのか全く分かりませんでした。
このとき、先輩行政書士から、「得意業務を記載したほうがいい」とアドバイスされました。
また、お客さんや一般の方へ実際に名刺を配ってみると、ほとんどの人から「行政書士って何をする人なんですか?」と質問されました。
このとき初めて、ただの連絡先ではなく「どんな業務ができる人なのか」を伝えることの重要性に気付いたのです。
名刺に記載すべき基本情報
まず、名刺に載せるべき最低限の項目を確認しておきましょう
- 事務所名(登録時に決定)
- 氏名(「行政書士 ○○ ○○」と記載)
- 事務所の住所
- 電話番号/FAX番号
- メールアドレス
これらはどんな業務分野を扱うかにかかわらず必須項目です。
「行政書士って何する人?」への答え方
行政書士の業務範囲は幅広く、次のような分野があります
- 建設業許可・経審
- 会社設立・各種法人設立
- 相続・遺言・遺産分割協議書
- 契約書作成・内容証明郵便
- 在留資格申請(外国人関係手続)
名刺には「◯◯業務を専門にしています」「建設業許可申請ならお任せください」など、具体的に取り扱う業務を明記すると、相手に印象づけやすくなります。
まだ専門分野が決まっていない場合の名刺対策
開業初期は、特定の業務分野を決めていない方も多いはずです。
その場合は、これから目指す分野、やってみたい業務を記載しましょう。
- 「各種許認可申請・法務相談を承ります」
- 「地域密着型の行政書士です。お気軽にご相談ください」
- 「お客様の“困った”に寄り添う行政書士を目指しています」
これらは一見、無難な記載ですが、結局何をやる人なのか?名刺をもらった人が理解できません。
「取り扱い分野はご相談に応じます」と記載しておくと柔軟な印象を与えます。
名刺作成時の注意点
名刺は「小さな営業ツール」です。以下のポイントにも気を配りましょう:
- 見やすいフォント:読みやすいサイズと書体を選ぶ
- 業種に合ったデザイン:信頼感を重視した落ち着いた色合い
- 余白のバランス:情報を詰め込みすぎない
交付式時点では、行政書士証票を受け取る前でも名刺に「行政書士」と記載して問題ありません。
登録申請が済んでいれば、名乗ることが可能です。
注意ポイント
交付式を受けて初めて行政書士の記載が使用可能になります。したがって未登録の合格者は行政書士を名乗ることはできません。
名刺は自分の分身です
新人行政書士にとって、名刺は単なる連絡ツールではなく、自分を紹介する「小さな営業マン」です。
以下のポイントを押さえて、伝わる名刺を作成しましょう。
要点まとめ
- 名刺には「誰が・何をできるか」を明確に記載する
- 業務内容を簡潔に表現し、専門性をアピール
- 未定の場合でも何かしらの業務を記載しておく
- デザインと構成にも気を配り、第一印象を良くする