開業に向けて事業専用の口座とクレジットカードは必ず準備しましょう。
報酬の受取、経費の支払い、確定申告など、事業運営に不可欠な役割を果たします。
プライベートとわける最大の理由は確定申告です。
一緒にしてしまうと入力の手間が増えるだけです。
独立開業したあとではクレジットカードが作れない場合がありますので、要注意です。
独立開業するために必ず作っておかなければならない理由
個人開業した場合、毎年必ずやってくるのが確定申告です。
ほとんどの行政書士は自分で確定申告をします。
仕事もないのにいきなり税理士さんにやってもらうのもおかしいですよね。
確定申告では、事業に使用したお金の履歴を全て記載していきます。
ここで、事業専用のクレジットカード、事業専用の銀行口座であることが重要になってきます。
「全て記載」していくので、プライベートの口座、クレジットカードと併用していた場合、これも含めて「全て」記載しなければなりません。
この手間を省くためにも、必ず事業専用のクレジットカートと口座を準備しましょう。
事業用口座やクレジットカードは事務所名義である必要はなく、事業用かプライベートかを使い分けていることが重要となります。
銀行口座・クレジットカード準備の重要性
事業専用口座とカードが必要な理由
事業用の銀行口座とクレジットカードを用意する最大の理由は、プライベートと事業のお金を分け、確定申告の手間を減らすことです。
混在させると記帳や会計ソフト入力が煩雑になり、税務調査のリスクも高まります。
また、経費と私的支出の区別がつかず、経営状況の正確な把握ができなくなる恐れがあります。
開業後のカード作成は難しい場合も
独立開業後はクレジットカードの審査が厳しくなることがあります。
特に開業直後は収入実績がなく信用力が低いため、審査に通らないことがあります。
会社員のうちに準備するのが安全です。
会社勤め中の開業準備者向けアドバイス
個人名義の口座を先に作成
会社員のうちに個人名義で口座を１つ作成しておきましょう。
給与受取用ではない口座は開業後に作りづらくなることがあります。
開業に使うお金はできるだけこの口座で管理します。
クレジットカードも同時に準備
開業前に個人名義のクレジットカードを事業専用として１枚用意しておくと便利です。
会計処理が明確になり、透明性の高い運営につながります。
カードは年会費、ポイント還元率、明細の見やすさなども選ぶポイントです。
事務所名義口座を作る場合
開業届提出が必要
事務所名義の銀行口座を作るには、資格者証の受領後に税務署へ開業届を提出する必要があります。
開業届は２部作成し、１部は押印済みの控えを保管して銀行に持参します。
銀行から求められる書類
事務所の実体がわかる資料（ホームページ、パンフレット、業務計画書など）や銀行印、事務所ゴム印を用意すると手続きがスムーズです。
地域によっては法人用窓口で相談が必要な場合もあります。
メリットとデメリット
- メリット：顧客に安心感を与え、信頼性を高める。法人顧客との取引に有利になることもある。
- デメリット：口座名義が長くなり、振込や記帳時の手間が増える。
ネット銀行の活用もおすすめ
便利なネット銀行
- 楽天銀行
- PayPay銀行
ネット銀行は来店不要、通帳レスでネット上から残高確認や入出金管理が可能です。
振込手数料が安く、営業時間外でも利用できるため、特に地方在住者や時間が限られる開業準備者にとって強い味方です。
さらに、ATM提携先が多い銀行を選ぶと現金引き出しも便利になります。
資金管理のポイント
資金繰り計画を立てる
口座を作るだけではなく、入金と支出の見込みをまとめ、資金繰り表を作成しておくことが重要です。
開業初期は収入が安定しないため、固定費や予備費を確保しておくと安心です。
会計ソフトと連携させる
近年は銀行口座やクレジットカードの明細を会計ソフトと連携させることで、記帳業務の負担を軽減できます。
freee、マネーフォワードなどのクラウド会計ソフトを活用しましょう。
開業後の留意点
入金確認と顧客対応
報酬の入金は早めに確認し、遅延があれば迅速に顧客に連絡を取りましょう。
ネット銀行の活用で、リアルタイムで入出金管理が可能になります。
経費の支払いと証憑管理
クレジットカードや銀行引き落としで支払った経費の領収書、請求書は必ず保管し、定期的に整理しておくことが必要です。
確定申告時の提出に備え、電子保存のルールを確認しておきましょう。
結論・まとめ
銀行口座とクレジットカードは、行政書士開業の基盤作りとして最優先で準備すべき項目です。
個人名義、事務所名義、ネット銀行を上手に使い分け、スムーズで透明性の高い事業運営を実現しましょう。
資金繰りの計画、会計ソフト連携、証憑管理なども含め、万全の態勢で開業に臨むことが成功の第一歩です。
この記事で解説したポイント
- 銀行口座・クレジットカード準備の重要性
- 会社員時代の準備方法
- 事務所名義口座の作り方
- ネット銀行の利点
- 資金繰り計画と会計ソフト連携の重要性
- 開業後の入金・支払い・証憑管理のポイント